「みちのく潮風トレイル」おすすめルート その3
海抜ゼロ登山で人気の東北百名山「霞露ヶ岳」。歴史の神秘と大自然の造形を体感する。
ルート案内
※距離・標高は目安です。所要時間は歩幅・スピード、天候等により大きく変わりますので予めご了承ください。
体験レポート
案内役中島 崇さん
滋賀県出身。カヤックベーシックインストラクター、ジオパーク認定ガイド
2023年5月まで山田町地域おこし協力隊としてオランダ島でのキャンプを含む体験観光などのPR業務を担当。
3年間の協力隊活動で、山田の自然にすっかり魅せられ、任期終了後も、山田町で活動したいという思いを一層強くした中島さん。アウトドアをベースに、地域の観光や産業を盛り上げるべく、新たな活動を計画中。(2023年11月現在)
東北百名山「霞露ヶ岳(かろがたけ)」。
山頂近くに神社がある神秘的な参道コース。
霞露ヶ岳(かろがたけ)は、山田町船越半島にそびえる標高514m、頂上近くには霞露ヶ岳(霞露嶽)神社奥宮があり、参道として整備されており、地元でも登山コースとして人気です。
東北百名山の一つ(最東端の山)で、頂上から海抜0mの漉磯(すくいそ)海岸まで、太平洋の絶景を楽しみながら登山ができます。
今回は、2023年10月、天候晴れ、気温22度の絶好のトレイル日和に行ってきました。
新たなトレイル拠点、簡易休憩施設「きのこのいえ」を出発。舗装道で登山道入口へ
10時30分、「きのこのいえ(旧・漉磯椎茸生産組合 建物)」からのスタート。ここは地元の有志たちが、約1年半かけて整備した簡易休憩施設です。
中には大きいテーブルとゆったり座れるベンチソファーもあり、食事をしたり、横になって仮眠を取ることも可能です。ハイカーさんの日記やオリジナルスタンプ、山田町の情報チラシなども置いてありますので、霞露ヶ岳や船越半島を歩かれる際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
霞露ヶ岳入口までは舗装路を30分ほど歩きます。写真奥に見える山が霞露ヶ岳の山頂です。
霞露ヶ岳は東北百名山のひとつ。信仰の山でもあり、地元では「オカロさん」との愛称で親しまれています。
霞露ヶ岳入口に到着。
楷書体のような昔からある看板が荘厳な雰囲気をかもし出しています。
一帯は国有林で、きのこシーズンには入山に関する注意看板も建て掛けられていますのでルールを守りましょう。
序盤は歩きやすく、森林浴気分で快適なトレッキング。
入口からしばらくは傾斜も緩やか。
道幅も広く歩きやすいです。木々からのこもれびが森林浴にはもってこいです。
別れ道にはトレイルテープが吊るされており、これを目印に進めば「みちのく潮風トレイル」の公式ルートで山頂に繋がります。
素敵な看板。霞露ヶ岳を親しんで歩こう!
この看板から先は傾斜も徐々に強くなります。
山田湾を一望できる人気のビュースポット
看板からつづら折り的な道を歩くこと30分、息もあがってきた頃、見晴らしポイントに到着。
ジオサイトである山田湾、オランダ島が一望できます。
パワースポット霞露ヶ岳神社・奥宮を参拝し、いよいよ頂上へ。
見晴らしポイントを過ぎ、南部アカマツやミズナラの林、秋の小さな花々を眺めながら散策していると、山頂手前に霞露ヶ岳神社・奥宮の鳥居が見えてきます。
石段を登ると祭神さま(巨岩)がおられます。
由緒は不詳でしたが、ここまでのルートも「参道」として整備され、地域では古くから信仰の対象となっています。
大自然の中で佇む様子は、荘厳な雰囲気があり、パワースポットとなっていますので、ぜひ参拝してみてください。
ここから山頂までは目と鼻の先です!
山頂到着。
天気に恵まれれば最高の眺めです。
山頂に到着。ここからも素晴らしい景色を眺めることができます。
さすが東北百名山!
この日の気温22℃でしたが、山頂は風が吹き抜け、かなり肌寒かったです。
長めの休憩を取られる方はくれぐれも防寒対策をお忘れなく。
山頂からは、船越半島の西側が見渡せます。
多くの養殖いかだが美しく並んでいる山田湾や、町の中心部、その奥には広大な北上山地の山並みが広がっており、海と山の大自然に抱かれた美しい山田町を眺めることができます。
天気がよければ山並みの奥に、北上山地の最高峰で日本百名山の早池峰山(はやちねさん、1,917m)を見ることができます。
山頂から海抜0mの漉磯海岸へ。
断崖絶壁の名所は圧巻。
山頂から漉磯海岸へ向かうとブナ林が見えてきます。紅葉の時期は綺麗に色づきますが、今年の紅葉はもう少し先のようです(2023年10月13日日時点)。
ブナは寒さが厳しい地方か、標高1,000メートル以上の高地にしか生えないそうです。標高500メートルの霞露ヶ岳に原生しているということは、ここは厳冬なのでしょうね。
ルートは塞いでいた倒木も除去してあり、安全に歩けるよう定期的な整備がされています。
長い歳月が作り出す大自然の造形。
外海側の絶景スポットが登場。
下りの途中、船越半島の北側の景色が見えてきます。
この日は視界がよく、お隣り宮古市重茂半島にある本州最東端の地、魹ヶ崎(とどがさき)灯台が見えました。
ここを過ぎると一気に下り始めます。雨の後や落葉の時期は足元が滑りやすいので注意が必要です。トレッキングポールがあると、歩行時の足腰への負担軽減、滑り防止にも繋がります。
下りも半分を過ぎると「赤平金剛」と呼ばれる高さ300mからなる断崖絶壁が現れました。
赤みを帯びた切り立った断崖は、大迫力そのものです!
赤平金剛は長い年月、雨風や波の浸食により削り取られて今の形となりました。眼下にある海食洞も、三陸の海の美しさと厳しさを感じさせてくれます。
海抜ゼロの漉磯海岸にゴール。
漉磯海岸が見えてきました。海食によってできたリアス海岸の地形や岩肌が望めます。
14時、漉磯海岸へ無事にゴール!
穏やかな海が歓迎してくれているようです。
今回は山頂から海岸まで下ってきましたが、逆のコースで登山を楽しむ方もいらっしゃいます。
海抜ゼロから登れる有数の山、霞露ヶ岳。
陸の秘境とも呼ばれている船越半島。
魅力たっぷりの山田町、ぜひ遊びに来てください!
その他 おすすめルート
学校の遠足登山など、地元で親しまれている「クジラサン」。頂上からの絶景を目指す。
■案内役 佐藤 博子さん(山田町観光協会スタッフ)
■ルート 陸中海岸青少年の家~鯨山頂上~浪板海岸駅
■レベル 初級者可(中級者以上同行)
船越半島の太平洋側を巡る、三陸海岸ならではの、海あり山ありの変化に富んだ冒険ルート
■案内役 中嶋 康文さん(アウトドア商品メーカー代表)
■ルート 漉磯口~大釜崎~小屋鳥海岸~荒神海水浴場
■レベル 中~上級者向け